バンドストーリー

バンドストーリー

新入りは訳ありお姫様!!

THAT KIND 愛

キャラクター: 須賀 蕾叶、馬橋 心玖、矢倉 蓬咲、梅里 ちえり、四宮 寧月

テキスト

蕾叶――じゃ、下ろすよ……! よい、しょっと

???……んぅ……

蓬咲そ、ソファに寝かせたら、次はどうするんですか……!?

ちえり蕾叶が助けるって言ったんです、 何か考えがあるんですよね!?

蕾叶それは……みんなで考えよう!

蓬咲、ちえりなっ……!!

ちえりどーするんですかっ!! 早くなんとかしないと!

心玖(とりあえず、今からやるべきことは……)

心玖(1、目の前のトラブルを最速で処理。 2、物件探し再開)

心玖(3、この寮を出て、生活環境を整える。 ……よし)

心玖みんな。ちょっと静かにしてくれる?

心玖呼吸は……うん、ちゃんとしてるね。 じゃあ次は熱測ろっか

蓬咲、蕾叶、ちえり…………

蓬咲ど、どうしよう……知らない人だ…… 心臓がキリキリしてきました……!

ちえりこの非常事態に何言ってるんですか……!

蓬咲非常事態でも初対面の方なので〜……!

蕾叶体温計鳴ったよ! 心玖、どう!?

心玖熱はないみたい。 ケガも小さな擦り傷程度かな

蓬咲、蕾叶、ちえりはぁ〜〜〜…………

ちえりま、まあそのくらいちえりにもわかりましたけど

蕾叶うっそだ〜! 私と一緒にオロオロしてたじゃんか〜!

ちえり蕾叶こそ、あれだけデカいこと言って ノープランだったじゃないですかっ

蕾叶うん、それはごめん!

???……んんっ…………ここ、は……

心玖あ……気がついた……!

???……す……

蕾叶なっ、なんて!? もう一回!

???……み……みず……

蕾叶水っ、水ね!!

蓬咲お、お腹っ! この子、お腹も鳴ってます!!

ちえりそれならちえりがありったけのお惣菜をもらってきます!

蕾叶じゃあ私はありったけの白米を炊くぞ〜〜!

心玖みんな、ストップ!

蓬咲、蕾叶、ちえり!!

心玖体調も万全じゃないのに、いきなり普通のご飯は食べられないよ。 それよりも先にやることがあると思う

蕾叶やること?

心玖蓬咲さん、救急セット。 蕾叶ちゃんはタオルとお湯の用意

心玖ちえりちゃんはお水の用意と、 もしブランケットがあれば貸してあげて

蓬咲、蕾叶はっ……はいっ……! わかった!

ちえりふふん、ちえりだけミッションが2つ……! いいでしょう、任されました!!

心玖あなた、名前は言える?

???……し、ずく……

心玖寧月ちゃん、おかゆは食べられそう?

寧月……ん……

心玖うん、それじゃあ用意するね

寧月はむっ……もぐもぐ……

蕾叶よかった〜……! いっぱい食べて元気になれ〜……!

寧月もぐもぐ……ごくんっ。 ふぅ……

寧月助かった。 ここまで世話になってすまない

蕾叶わっ、しゃべった! しゃべったよ、心玖!

心玖寧月ちゃん、自分のことはわかる?

寧月うむ……私の名は四宮寧月。 月ノ森女子学園中等部の2年生だ

蕾叶月ノ森!? 超お嬢様だ〜!

寧月そうなのだろうか……?

ちえりお嬢様よりちえりの方がすごいですね! ちえりは道端で倒れたことありませんっ

寧月私も初めてのことで、驚いている

蕾叶倒れた時のことは覚えてる?

寧月わからない。 ただ、歩いていただけだ

寧月そのうち胃が奇妙な音を鳴らして、 視界が真っ暗になり、気づいたらここにいた

蓬咲奇妙な音……? まさか、お腹がすいたことに気づいてなかったんじゃ……!?

心玖でも元気になってよかったね〜。 ここから自分のおうちに帰れそうかな?

寧月……わからない

心玖わからないって……?

寧月ここは知らない街だ。 帰り道はわからない

一同え……!?

心玖それじゃあここまでどうやって来たの?

寧月家を出て、車に乗り、知らない街で降ろされ…… 今に至る

蕾叶車までは誰かと一緒だったんだよね!?

寧月私の世話をする『ばあや』がいた。 どこへ行くにもばあやが付き添うのが常なのだが……

寧月突然、ばあやはここまでだと言って、 封筒をひとつ渡して私を降ろしたのだ

ちえりなんですかそれ……! 寧月の部下はずいぶんと薄情ですねっ

寧月そんなことはない。 ばあやは私のためになることしかしない人だ

蓬咲それじゃあ、どうしてこんなこと……

寧月……私は『家族から離れなければならない』と ばあやが言っていた

寧月『外の世界で、知らなければいけないことがある』と

蕾叶えっ、どういうこと……!?

寧月詳しくはわからない。 ただ母と姉が口論をしたらしい。 だからこの家から離れるべきだと

ちえりケンカってことですか? それ、追い出される理由になってませんっ

蕾叶ていうか、どんな理由があっても 家族を追い出すなんてありえないよ!

蕾叶お母さんたちに文句言ってやらなきゃ!

寧月文句……なぜだ?

蕾叶え? だってお母さんとお姉さんのせいで 寧月が大変な目に遭ってるんだよ!?

寧月そういうことなのか……?

蕾叶そうだよ! こんなの全然ピースな家族じゃない……! 寧月は悲しくないの? 怒ってないの?

寧月……悲しい……怒る……

寧月私には、わからない

蕾叶えっ……

寧月なぜ母と姉が口論になったのか、 なぜ私が家を離れなければいけないのか、 それについて私自身がどう思うのか……

寧月家族のことも、自分のことも 私は考えたことがなかったのだな

蕾叶…………

心玖(……家族もやばそうだけど、この子もやばいでしょ。 自分の状況、わかってないなんて……)

心玖……寧月ちゃん。 さっき言ってた『封筒』って?

寧月ああ、姉からの手紙などいろいろ入っていたものだ。 たしかポケットに……

寧月あった。これだ

心玖どれどれ…… 手紙と……えっ、万札……!?

蕾叶心玖、手紙にはなんて?

心玖えっと……『寧月はもっと広い世界で生きられるよ。 私のようにはならないで』……?

一同…………

ちえりちえりにはわかります。 これは事件ですっ!!

蓬咲けけけ警察に連絡した方が……!

蕾叶警察!? 寧月は何も悪いことしてないよ!

蓬咲私が言ったのは迷子届け的なアレで〜……!

心玖確かに、その方が早く解決できると思うけど……

寧月すまない。 警察への連絡は、やめてもらえないだろうか

蓬咲えっ!? 何か困ることがあるんですか!?

寧月ああ、ばあやを困らせてしまいそうなのだ。 私を外で1人にしたとバレてしまっては、クビになる

寧月何より、『外の世界で、知らなければいけないことがある』 というばあやの言葉……

寧月何かはわからないが、 それを知らなければ帰れない

寧月あんな顔をして話すばあやは、初めて見たからな

ちえり……部下を大切にしたいって気持ちはわかります。 でも何を知らなきゃいけないか、わからないじゃないですかっ

寧月…………

蕾叶そんなの決まってるよ!

蕾叶寧月は、ファミリーの愛を知らなきゃ!!

寧月――……!

蓬咲ここでも謎ファミリー理論……!?

蕾叶寧月の話を聞いてたら なんか寂しい気持ちになったんだ

蕾叶たぶん『考えたこともなかった』って 愛の反対だと思うから

蕾叶一緒に暮らす大切な人たちのことも 自分のことも愛して、寧月には思いっきり笑ってほしい

蕾叶だから寧月。うちで暮らそう! 今日から5人のファミリーだ!

寧月え?

ちえり、蓬咲ええ〜〜〜〜!?

蓬咲もう新しい人が入るんですか!? 心玖さんが来たばっかりなのに!?

ちえり抜け駆けはずるいですよ、蕾叶! 寧月はちえり連合に入るかもしれないのに!

寧月ファミリー……? 君たちは血縁者に見えないが……

蕾叶同じ家で寝て、ご飯食べて、バンドすれば ファミリーになるんだよ

蕾叶私がばーちゃんに教わったように 寧月に私が教えたい

蕾叶愛情みっちみちの、ピースなファミリーさえあれば 人生は最高だって!

寧月――……

心玖(こいつ……いいこと言ってる風だけど なんっにもわかってない)

心玖(他人の家庭事情に、子どもが首を突っ込むなんて 無責任すぎる)

心玖(よその子を勝手に住まわせるなんて それこそ警察沙汰じゃない)

心玖(何よりこいつが、『家族』を教える? 異常な家族観を押し付けるヤツが何を教えられるわけ?)

心玖(それに……家族に苦しめられる人がいるなんて 『考えたこともない』んでしょ)

心玖(……なんて、あたしがわざわざ 言ってあげる必要もないけど)

寧月ええっと、君は……

蕾叶私は蕾叶! 左から心玖、チェリ、蓬咲。 みんな私のファミリーだよ

寧月ありがとう、蕾叶とそのファミリー。 さっきの提案、考える時間をもらえないだろうか

寧月きちんと考えて、答えを出したいのだ

蕾叶うん、わかった! とりあえず今夜は泊まっていってよ

寧月何から何まですまない

蕾叶寧月。こういう時は『すまない』じゃなくて 『ありがとう』だよ!

寧月そうなのだな。 では……ありがとう

蕾叶うんっ、どういたしまして!

ちえり仕方ないですね。新入りの寧月には、 ちえりのブランケットを一晩使う権利をあげます!

ちえりどうですか、感謝したくなってきたでしょう!

蓬咲う〜っ、予告もなしに新しい人と一晩過ごすなんて 私の心臓が〜……!!

心玖(……あたしには、関係ない。 どうせ出て行くし)