心玖&寧月 1

Details
Chapter
Bond level
Lv.5
Characters
馬橋 心玖 and 四宮 寧月

Text 38

Background
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練習スタジオ

心玖
……ここはもっとシンプルに……
いや、でも……
寧月
心玖、休憩しないのか?
心玖
ん? ああ、気にしないで。
蕾叶たちと外で休んでていいよ
寧月
でも、難しい顔でスコアを見ている。
練習中からずっとだ
寧月
何か気になるところがあるなら指摘してほしい。
作曲者の指示はしっかり押さえるよう、教わってきたのだ
心玖
ううん、寧月の演奏に言うことなんてないよ
心玖
ただ……アレンジがあと1歩って感じがして。
なんかハマってないんだよね
寧月
そうなのか?
心玖
うん。各パートが狙い通りにいかない部分が結構あって
心玖
あの3怪獣が毎回めちゃくちゃに弾くから
どれだけ調整してもピンと来ないし……
心玖
寧月は気にならない?
寧月
……ああ
心玖
そっか……じゃあ考えすぎかな
寧月
いや……気に、していなかったのだと思う
寧月
与えられたパート、与えられたスコアを
きちんとこなす
寧月
そういうふうにしか考えたことがなかったのだ
心玖
でもあれだけ弾けるなら
なんか物足りないとか、気持ち悪いとか思わない?
寧月
……バンド楽曲はまだ勉強中だからわからない。
クラシックには大体正解があるから、違和感もない
寧月
細かい部分で解釈が分かれるものはあるが
基本的にはスコアにあるものが正解なのだ
心玖
なるほどね……あの3怪獣にその意識があったら
もう少し楽だったのかなぁ
心玖
1人で作曲してた時は、こんなこと考えもしなかったし。
正解ってなかなか見つからないものだね
寧月
…………
心玖
寧月?
寧月
心玖にも、わからないことがあるのだな
心玖
え? もちろんあるよ。
バンドなんて初めて組んだし
心玖
誰かにあたしの曲を演奏してもらうのも
こんなふうにめちゃくちゃやられるのも初めてだもん
寧月
そうか……
バンドの音楽の正解がわからないのは、私だけだと思っていた
心玖
ふふ、そんなことないよ。
きっと誰も――
心玖
あ、そっか……このバンドの曲の正解なんて
私もみんなもわからないんだ
寧月
? どういうことだ?
心玖
たぶんあたしも寧月も、あの3怪獣も
新しい『知らないこと』に出会ったっていうのは同じ
心玖
今までやってきた音楽とは違う、
新しい音楽を作っていかなきゃいけないのかなって
心玖
だから寧月。
一緒にあたしたちの正解を探してみない?
寧月
……!
一緒に、か
心玖
うん。あたしだけで考えるから進まなかったんだと思うし
寧月
わかった。私も考えてみよう
寧月
助けになるかはわからないが、
それでも一緒にやってみたい
心玖
よかった。
それじゃ早速なんだけど、ここが気になってて――……