(millsageの……それから、奏多さんの幸せは、
わたしが守るんだ)
詳情
20:24
- 章
-
花飾りのためのデコール
- 時長
- 20:24
- 發布
- 2025年12月31日
- 角色
-
汐見 蛍
、
伊沢 なつめ
、
琴平 凪
、
浜崎 まほろ
和
和泉 朋花
文字
248
背景
数時間前
背景
汐見家 蛍の部屋
和泉朋花
(millsageを、ぐちゃぐちゃにしてしまったのはわたし)
背景
背景
(そんなわたしが、
みんなを幸せにしたいだなんて……)
背景
(勝手に入って、勝手に出て行こうなんて、本当に最低。
……でも)
まあいいわ、すぐ準備して出てきなさい。
この前のカフェ集合
うっさいわね、これは先輩命令よ。
あんたに拒否権はないと思いなさい!
背景
蛍さん、わざわざお越しくださってありがとうございます
あんたの最寄駅の前で拾ったのよ。
ずーっと忠犬みたいに待ってたから
……! いえ、わたしこそ皆さんにご迷惑を……
その……だから、わたし——
言ったでしょ。あんたはやるべきことをやっただけ。
ファインプレーとして誇ってもいいくらいよ
あんたにも歌ってもらおうって決めたのは
あたし達4人。責任はこっちにだってある
全員に落ち度があったけど、本番は何とかなった。
それだけの話
ま、あんたを利用してたらしい朋花のことは、
嫌うなり軽蔑するなり好きにすればいいわ
どうせあんたのことだから、
わたしはバンドにいるべきじゃない〜とか考えてるんでしょ
ダメよ。辞めるなんて許さない。
あんたはあたしに辞めるなって言った
信じてもらえないかもしれませんが……
あなたは私の、希望なんです
それだけじゃない。
奏多のことを思いたい自分自身のために、やってる
millsage
背景
ガレージ
昨日はごめん。ひどいこと言って。
蛍ちゃんに、感謝しなきゃいけないのに
そんなことあるよ。
蛍ちゃんが歌ってくれたから、ライブは壊れずに済んだ
ううん……ライブだけじゃない。millsageだって、
蛍ちゃんががんばってくれたから、こうしてここにある
……それでも、このバンドを終わらせたくないって。
それだけは本当なんだって
はん。呼び戻しておいて、今さらよそでやれって言うつもり?
私はね。
蛍ちゃんが来てくれて、止まってた時間が動き出して……
やっぱりバンドって、音楽っていいなって、そう思えた
わたしも……っ、音楽っていいなって……!
バンド、すごく楽しかったです!
顔を上げたら、周りに皆さんの音があって……
あったかくて、幸せで……!
でも! わたしの音楽は、誰かを傷つけてしまうから……!
だからわたし……やっぱり
バンドなんて、やっちゃいけないんです
その、昨日のライブは……正直私も混乱しちゃって、
よくない態度を取っちゃったと思う……本当にごめん
ちゃんとあなたと向き合うって、決めたの。
もう逃げないよ
それでね……ここからは私のお願い。
ボーカル、蛍ちゃんにやって欲しいなって
な、何言ってるんですか……!?
そんなの、できるわけないです……っ!
あたしだって、あんたなんかの音楽に
負けてやるつもりはさらさらないから
あは……まあ、そういうことだから。
天才サマは奏多である程度慣れてるってわけ
そうですよ、むしろ全力で弾いてもらえないと、
お誘いした意味がなくなってしまいます♡
millsageに、入ってください。
あなたの音楽が、私たちには必要です
そりゃそうだよね。昨日、あんなふうになってたのに、
信じられないよね
ううん、いいの。
じゃあ、信じてもらえるように証明するしかないよね
『鳴らす』のワンコーラスを、
それぞれ順番に、演奏しながら歌うの
はん! いいじゃない。
しっかり見届けてあげるわよ
(歌声、音……それだけじゃない。
身体中ぜんぶで叫んでるような音楽)
(これはまほろさんから、
わたしへのエールでもあるんだ)
(ボーカルは誰なのかをはっきりさせる。
これは、そういう儀式でもあるんだ)
背景
背景
(こんな素敵な人たちと出会って、受け入れてもらえて……)
背景
(どうすれば『みんなを幸せにする音楽』ができるのか。
その答え)
背景
(身勝手で、誰かを傷つける悪い音楽。
だから出してはいけない……そう思ってました)
背景
(……本当に『みんな』を幸せにするなら
『わたし』もみんなの中に入れなきゃ)
背景
背景
背景
数日後
背景
ガレージ
先輩たちを待たせるなんて、
新ボーカル様はずいぶんといいご身分のようね
だめだよなつめちゃん、意地悪言ったら。
掃除当番があるって、ちゃんと連絡くれてたでしょ
あ、じゃあその間に〜……
私から、重大発表があります!
待って待って、違うよ!
おかわりは2回だけで……ってそうじゃなくって!
10代のバンドだけに出場権が与えられる、
甲子園的なコンテスト……でしたっけ
そう! millsageはその決勝進出……いや、
優勝を目指そうと思います!
あー多分、なつめちゃんに話がいく前に
私が断っちゃったから……
はん。簡単に言ってくれるわね。
彗星は『次に来るバンドの登竜門』って呼ばれてるのよ
まあまずはちゃんと朝時間通りに起きるところから、かな
まあ、挑戦することに異論はないわ。
いいじゃない、あたしにぴったりの舞台よ
ふふっ、私も異論ありません♪
大きなステージ、とっても楽しみです
目指すからには、練習はビシバシやるから
弱音吐かないでよね
そうだよね。もっと経験積まないと……!
目指せ彗星、だもん!
(millsageの……それから、奏多さんの幸せは、
わたしが守るんだ)
(そしたらきっと、その先に。
わたしの幸せも――)
背景
誰ひとり、泣いたり悲しんだりしていない
みんなが笑っている幸せな結末